健康に気を付ける方が、特に近年はとても増えています。
厚生労働省が発表している2016年時点の平均寿命は男性が80.98歳、女性が87.14歳ですが、健康寿命となると男性が72.14歳、女性が74.79歳と大きな開きがあるのも要因の1つです。
また、年金の支給開始年齢が少しずつ遅くなっていくこと、老後に年金だけでなく2,000万円必要だというニュースから、さらに健康への関心が高まっていくのは間違いがありません。
今よりも健康になること、健康をキープしていくには、食事と運動のバランスが必要です。
とはいえ、長年身についた生活習慣を変えるのは、とても難しいのが現実です。よっぽどの強い思いがなければ一気に変えることはできません。
ですが、1日平均して17分、週にすると2時間で顕著な健康に変化があるとしたらどうでしょうか? しかも、ものすごくきつい運動をしなければならないのではありません。
それだったら、なんとかできそうな気がしてきますよね。
この1日平均にして17分、週にすると2時間で何をするのかというと、「屋外に出て自然の中で過ごす時間」です。拍子抜けするぐらいにカンタンですよね
このレポートは学際的電子ジャーナル「Scientific Reports」でも発表がされています。
2019年6月13日:Spending at least 120 minutes a week in nature is associated with good health and wellbeing
どんな内容であるのか気になりますよね。そこで、1日17分の屋外での行動が健康状態を高めてくれることについて、まとめてみました。続けてご覧ください。
行われた調査はどんなもの?
屋外での行動が健康状態を高めるのかどうかは、以下の調査が行われました。
- イギリスの2万人の男女の全国調査
- 屋外での行動時間
- 健康の状態について
集まった調査結果を分析したところ、過去7日間に120分以上を屋外で過ごした人と、屋外で過ごしたのが120分以下の人では違いがあることが分かりました。
120分以上屋外で過ごした人は、状態の報告が健康である、高い幸福を報告する傾向がとても高かったんです。屋外での行った行動の内容ではなく、屋外で過ごす時間の違いでの変化です。
屋外の自然の中で過ごす時間が、健康に影響を与えるということですね。
この調査結果から科学者たちは、次の3つの健康に結びつくとしています。
- 精神的健康の改善
- 肥満リスクの減少
- 良い睡眠になること
興味深いことは屋外で過ごす2時間の時間外の行動は、問わないということです。何をしていても、1週間に2時間の屋外の行動が健康状態の向上に結びつくんです。
屋外の自然の中で過ごす時間も、その他の時間に何をしていたかも問わないのに変化があることは、自然の中で過ごす時間は健康のための貴重な時間になるといえます。
また、17分を毎日継続するのではなく、1度に長い時間散歩をしたりと1週間で2時間に届けば効果に変わりはなかったことです。7日連続でなく複数回でいいのは、誰でも行いやすいんです。
1週間に120分 = 2時間というのが、屋外の自然の中で過ごす大きなポイントとなる時間でした。
外に出ることは運動をするきっかけにも…
屋外に出ることはさらにプラスの要素もあります。
- 日光を浴びてビタミンDの形成ができること
- 運動をするきっかけになること
基本的にビタミンは食事をして摂取するしかありませんが、ビタミンDは日光を浴びることで形成できるビタミンです。紫外線を浴びすぎることは問題ですが、少なすぎるのもよくないんです。
屋外に出ることで健康のためによくなることは、運動をするきっかけになるからです。
健康には食事と運動のバランスが必要ですが、運動が十分にできている人たちは少ないんです。20歳以上の運動習慣について厚生労働省が調査した結果がありますので、ご覧ください。
運動習慣とは1回30分以上の運動を週2回以上実施し、1年以上継続している人
運動習慣 | 男性 (%) | 女性 (%) |
平成19年 | 29.1 | 25.6 |
平成29年 | 35.9 | 28.6 |
変化差 | +6.8 | +3 |
厚生労働省:平成29年「国民健康・栄養調査」の結果
現時点で厚生労働省が公開している最新のデータですが、女性も男性も運動の習慣がある方はとても少ないです。10年前とは割合は増えてはきていますが、今も多くの方が運動をしていません。
運動は1度すればいいのではなく、継続して行うことが大切です。健康ブームと言われて長くなりますが、本来は必要である運動の習慣がまだかなり少ないというのが、日本の現状です。
屋外に出て日を浴びることは気持ちがいいものですので、1度体験をしてみてください。
あなたも経験があるのではないかと思いますが、気持ちがいいからこそ、体を動かしてみようという気持ちになりやすいんです。運動まで行かなくても、準備運動をしたりしていませんか?
特に社会人になると部活もありませんから、運動をする機会が学生の頃に比べて格段に少なくなります。屋外に出ることで健康状態を高めて、運動のきっかけになるとしたら素晴らしいことです。
気分展開する際は外出して過ごしましょう
1日17分の屋外での行動が健康状態を高めてくれることについてまとめてきました。
今はAmazonや楽天などで、ネットで注文をすれば手元まで届けてくれる時代です。今までは出前をしていなかった飲食店も、UberEATSで手数料はかかりますが、頼めば持ってきてくれます。
無理に外出をしなくても、何も困らない生活ができるんです。
だからといって家の中にずっととどまっていたり、必要最低限の通勤などでしか移動をしないことは活動量も少なく、健康状態にも影響を及ぼしていました。
1日に何時間もや、毎日欠かさずに17分の屋外での行動というわけではありません。きつい運動を合わせてというわけでもありませんから、意識さえできれば誰にでもできる17分の行動です。
1日ずっと集中をしているというは難しいですから、気分転換の際は屋外に外出して自然を楽しむことをしてみてはいかがでしょうか?
最初はためらってしまうかもしれませんが、外に外出するというのは気持ちがいいものです。煮詰まって過ごす時間よりも、短時間での気分転換は効率にもつながりますよ。
おまけに健康状態もよくなるのであれば、しない理由がないですよね。
外出をすることになれてきたら、まずは軽い準備運動から。もっとなれたら運動も加えることで、さらに変化が期待できます。健康はあなたの行動次第でなんとでもできるんです。
必要最低限しか外に出ていないという方は、屋外で自然を感じてみてくださいね。
以上が『1日たった17分の屋外での行動が、健康状態を今よりも高めてくれる』でした。