体を休めるための睡眠の大きな妨げとなる「悪夢」。
悪夢とは怖かったりする嫌な夢や、悪い夢のことです。偶発的に見る悪夢は医師の間でもあまり問題視されていませんが、頻繁に見るようになると日中に影響する睡眠障害の可能性があります。
- 過度なストレス
- PTSD(心的外傷後ストレス障害)
- 新たな病気
悪夢といっても、たかが夢と甘く見てはいけないものでした。見ない方は全くというほど見ることはありませんが、見る人には繰り返してみてしまうのも悪夢です。
悪夢は複雑で、現在も研究者が理解するのに苦労しています。そんな中、睡眠障害の専門家でジョンズ・ホプキンズ大学 神経学 准教授レイチェル・サラス氏が悪夢を見る傾向をまとめています。
完全ではなくても悪夢を見る傾向を知ることで、嫌な夢を多く繰り返して見てしまう方の助けになる部分もあるかと思います。最近は嫌な夢をよく見るんだという方は、続けてご覧ください。
悪夢を見る睡眠状態
まず睡眠の状態には大きく分けて2つの段階があります。
- レム睡眠(浅い眠り)
体は休息しているが、脳が覚醒している状態 - ノンレム睡眠(深い眠り)
体も脳も休息している状態
寝ているので本人が気付くことはありませんが、睡眠中は浅い眠りのレム睡眠と、深い眠りのノンレム睡眠を周期で繰り返ししています。人によっても違いはありますが、おおよそ90分周期です。
よく言われる90分周期で眠るといいと言われるのは、周期に合わせているからでした。
私たちが寝ていて夢を見る多くは、浅い眠りであるレム睡眠の最中です。体は休息していますが脳は覚醒しているため、現実には起こらないようなことも夢の中だからこそ見られてしまいます。
悪夢を見ないための手段
夢を見る睡眠の段階が眠りの浅いレム睡眠時と分かれば、見ないための手段へと進みます。
悪夢を見ないための手段とは「明晰夢(めいせきむ)」。難しい言葉ですが明晰夢とは、睡眠中に見る夢を夢であると自覚して見る夢です。
夢を夢と自覚するからこそ、現実と混ざってしまう悪夢が悪い夢ではなくなります。夢と自覚することで怖かったりする嫌な夢や、悪い夢ではなく、楽しい夢を見ることも可能です。
悪夢を見ることは複雑に事柄が絡みあっていて、不明点も多いのも事実。それでも過去10年の研究の結果から、明晰夢が永続的に悪夢に苦しむ方たちを助ける可能性が示されています。
明晰夢を見るにはどうする?
夢を夢だと認識する明晰夢。どんな方法をすれば見られるのか、かんたんな方法が紹介されています。かんたんといえるのは、したことがない人はいないであろう二度寝を使う方法だからです。
- 起きる時間の30分前にアラームを設定する
- アラームを止める
- 明晰夢(夢は現実ではない)を見ようと意識してから二度寝する
単純なようですが、自分で暗示することで明晰夢を見る確率が高くなります。夢は暗示である程度は誘導ができますので、楽しい夢をみよう考えながら寝るのも良い考えです。
逆に悪夢を見るのが怖いと考えて寝ることは、見るきっかけとなります。寝る前の気の持ち方というのは、夢の内容に関しても大切なことでした。
利用する難点は、明晰夢を見るということが一般的ではないことです。今後研究が進むことで、うまく利用する術がさらに進むことが考えられます。
また、悪夢を見ている時に悪夢だと気づくことができたのであれば、目覚めることも大切です。現実とは違うんだとはっきりと自分自身で認識できることで、悪夢の排除ができます。
嫌な夢は現実ではありません
悪夢というのは、夢であるからこそ1人で悩んでしまうものです。ですが、悪夢で悩まされている方は思っている以上に多いですから、悩みを解消する方法も多くありました。
悪夢とはいわないまでも変な夢を見るという方は、不安を抱えて眠るのではなく、楽しい考えを持って寝ること。二度寝を使った方法を試してみてください。改善する可能性が高くなりますよ。
最後にレイチェル・サラス氏の注意点として、次の2点があります。
- 悪夢により睡眠の乱れが長く継続している
- 悪夢により自傷行為をしてケガをしている
上記に当てはまる方は、医師の診察を必ず受けてください。1人では対処できないこともありますので、医師に助けを求めるというのは悪いことでも逃げでもありません。
せっかくの体を休めるための睡眠です。夢を見るのであれば悪夢ではなく、楽しい夢を見る意識をしてみてください。楽しい夢をみることができれば、日中がより楽しいものになりますよ。
以上が『睡眠中に「悪夢」を見ないようにするにはどうすればいいですか?』でした。