ダイエット中に特に気になるのはカロリー。
痩せるためには「消費カロリー > 摂取カロリー」である必要があるため、気にならないという方が無理ですよね。ですから、摂取カロリーを減らすために、食事制限をする方が多いです。
摂取カロリーは飲んだり食べた量を確認できるため、分かりやすいというのもあります。
もう1つの消費カロリーがどんなものかというと、次の3つの代謝を足したものです。
- 基礎代謝
- 活動代謝
- 食事誘発性熱産生
基礎代謝は生きていくために必要なエネルギー。活動代謝は運動など、体を動かして消費するエネルギーです。基礎代謝と活動代謝については、知っている方も多いですよね。
もう1つの食事誘発性熱産生は、聞き慣れない名前という方も多いのではないでしょうか? かんたんにいうと、食事をする時に消費するエネルギーです。
食事をすることはカロリーを摂取するだけなく、カロリーも消費していました。
食べる時の消費エネルギーといっても大したことはないんでしょ? と思う方いますよね。ですが、代謝の3つに数えられるように、見逃すにはおしい消費カロリーなんですよ。
その証拠に体をベストな状態に保つ必要があるプロアスリートの方などは、食事誘発性熱産生を考えた食事の食べ方をしています。効率を上げるためには必要が不可欠な消費エネルギーなんです。
そこで、消費カロリーの3つのうちの1つ。食事誘発性熱産生についてどんなものなのかから、よりカロリー消費を高めるにはどうするのかなど、まとめてみました。
食事をしてカロリー消費とはどういうこと?
食事誘発性熱産生は英語では「Diet Induced Thermogenesis」になり、通常は頭文字を取った略語で、「DIT」とい呼ばれています。ですから「DIT = 食事誘発性熱産生」です。
食事誘発性熱産生(しょくじゆうはつせいねつさんせい)とあまり聞き慣れない言葉ですよね。誘発とあるように、食事を取ることで起こる作用で、熱を産生することでエネルギーを消費します。
一つの長い言葉として見ると難しい言葉も、分けてみると分かりやすくなりました。
飲んだり食べたりしたものを体に取り込むには、消化、分解、吸収が必要です。食事を口にする時のかんだり、消化、分解、吸収に必要なエネルギーが食事誘発性熱産生になります。
どんなことでエネルギーが必要なのか分かると、エネルギーが消費されているのが分かりますね。
エネルギーの消費には違いがある
食事誘発性熱産生は全て同じではなく、食べ方や状態によってエネルギーの消費量が変わってきます。代表的なものを表にまとめてみましたので、ご覧ください。
消費エネルギー量 | 高い | 低い |
運動習慣 | あり | ない |
体温 | 高い | 低い |
食事の時間帯 | 朝 > 昼 > 夜 > 深夜 | |
食事の環境 | リラックス | あわただしい |
味覚 | おいしい | まずい |
味覚 | からい | 甘い |
料理の温度 | 温かい | 冷たい |
食事の満足度 | 高い | 低い |
咀嚼(そしゃく) | よくかむ | あまりかまない |
栄養素 | たんぱく質 > 糖質 > 脂質 |
普段の生活が活動的でおいしく、かつよくかんでゆっくりと食事ができると、食事誘発性熱産生の消費エネルギーを高めることができます。
食事をより楽しく食べることができれば、エネルギー消費も高くなるんです。
消費をより上げるにはどうする?
食事誘発性熱産生がエネルギーを消費するのであれば、ダイエット中は特に高めたいですよね。
消費エネルギーを上げるためには、以下の4つに気をつけてみましょう。
- 運動をする習慣をつくる
- おいしく満足度が高いものを食べる
- 食事の時間はゆっくりで、よくかむ
- たんぱく質を積極的に摂取する
運動をする習慣を付けることは、活動代謝を高めるだけでなく、食事誘発性熱産生も高くなります。運動のメリットは、思っている以上に大きかったんです。
ダイエット中はある程度の食事制限は必要ですが、その中でも満足度が高いもの食べましょう。
食事をゆっくりでかむで食べることは、太らないための食事として知られていることです。ゆっくりと食べることは満腹中枢を刺激するだけでなく、エネルギー消費も多くなっていました。
1番食事誘発性熱産生の差になるのが、三大栄養素の違いです。
- たんぱく質:約30%
- 糖質:約6%
- 脂質:約4%
- 混合のもの:約10%
たんぱく質が特に食事誘発性熱産生が高いのが分かります。通常時でもたんぱく質は不足しやすい栄養素ですが、ダイエット中は積極的に食べたい栄養素でした。
たんぱく質は、よく知られている細胞や筋肉のもとになるだけではありません。
同じ100kcalでもたんぱく質であれば70kcal、脂質であれば、96kcalと、差は大きいですよ。
普段食事をするものは三大栄養素に単体ではなく、混合になっているものがほとんどです。ですから、基本的には食べたエネルギーの10%が食事誘発性熱産生になると考えましょう。
食事誘発性熱産生は代謝の3つに入るだけあって、消費エネルギーが大きいんです。
気にかけないのはもったいない
食事誘発性熱産生(DIT)について紹介してきました。
特に気にして食べていなくても、摂取カロリーの約10%は食事誘発性熱産生としてエネルギーが消費されていました。1日の10%と考えると、見逃せないエネルギー消費です。
気にかけることで、さらにエネルギー消費を増やすことができます。食事は毎日することですから、気にかけないのはもったいないエネルギー消費でした。
また、運動をすることのメリットは活動代謝だけでなく、食事誘発性熱産生も高まります。運動をダイエットに取り入れることは、思っている以上にメリットが高いことなんです。
食事制限のみでダイエットを行っている方は、メリットの高い運動も検討してみてください。
運動は別として、明日からでもすぐにできる食事誘発性熱産生の高め方は、次の通りです。
- おいしく満足度が高いものを食べる
- 食事の時間はゆっくりで、よくかむ
- たんぱく質を積極的に摂取する
意識をすれば、すぐにできることですので、ぜひ意識をしてみてください。
最初は小さな差ですぐに実感するものではありませんが、食事は毎日のことですから積み重なった効果は見逃せないものになりますよ。食事の食べ方で、消費エネルギーは変わります。
以上が『食べた時もカロリー消費! 食事誘発性熱産生(DIT)とはなんですか?』でした。