普段は円満であっても起こってしまうのが、職場での「対立」。
個人で働いて1人で完結する仕事をしていない限り、協力して作業を行う場面が必ず出てきます。お互いの立場や考え、優先順位が異なるからこその対立です。
より良い状況にするために時には衝突は必要ですが、多くの場合は気分の良いものではありません。ストレスの原因になることで、精神的な健康を損ないます。
望んで対立をする方はいませんが、避けるためには4つ方法(原則)がありました。
- 特定の問題を明らかにする
- 感情を共有する
- 双方のニーズを把握する
- ニーズの観点から問題を再構築する
対立せずに、お互いが「Win-Win」(ウィンウィン)である方法。この4つの方法を利用することをアドバイスしているのは、投資家であり起業家のデイブ・ベイリー氏。
職場でよく意見や行動が対立してしまう方は、続けてご覧ください。
必ずしもうまくいかないNVC
対立せずにコミュニケーションを取るための基本は「NVC」。
「Nonviolent Communication = 非暴力コミュニケーション」の略で、臨床心理学者マーシャル・B・ローゼンバーグ博士によって提唱された、平和のための工程のこと。
- 観察 (Observation)
- 感情 (Feeling)
- ニーズ (Need)
- リクエスト (Request)
4つの要素に注目し、自身の考えと相手の言葉から意図を推測し、対話を行います。
誤解や偏見、思い込みから生まれる対立をなくし、お互いを尊重しなががら平和にコミュニケーションを取ること。言葉にすると単純ですが、効果は絶大です。
ただし、必ずしもベストといえません。特に職場で利用をするには、欠点もありました。
NVCが失敗する理由
職場でNVCが失敗するのは、いくつか理由があります。
- 時間がかかる
- 適切な場所が必要
- 思いやりが必要
- 誰もが訓練されているわけではない
4つ上げていますが、一番の問題となる理由は「時間がかかること」。
職場で起こる対立は、仕事であるからこそ時間制限があることがほとんど。長い目で見てという場合は大きな役に立ちますが、今すぐにの場合は向かない方法です。
仕事で対下しないために必要なのは原則
職場での関係は、友だちではありません。
仕事が前提にあるからこその関係。友人関係になることは多くあっても、行う作業をなあなあにすることは許されません。
だからこそ、対立せず建設的に仕事をうまく回すには、方法(原則)が必要でした。
1. 特定の問題を明らかにする
多くの対立となる原因は「直感的な判断によるアプローチ」。
アイデアを議論するにはいいのですが、理屈をぶつけることになるので、お互いが納得するしかない良いアイデアが出ない場合には対立するしかありません。
理由として直感的な判断は、意見を正当化する理由を後付で考えるものです。
- 何を見て
- 何と言ったのか
- 具体例は何があるのか
直感的な判断ではなく、詳細を明らかにすることが重要です。
2. 感情を共有する
仕事であるからこそ論理的になり、ないがしろにされる「感情」。
効率を考えてしまうことが、逆にうまく運ばないことがあります。
- 幸せ
- 悲しい
- 腹を立てている
人は感情で行動。ほとんどの人の感情的リテラシーは上記3つに限られるので、共有することはムダではありません。
仕事で友だちになる必要はありませんが、弱さを見せることはつながりの源です。
3. 双方のニーズを把握する
議論をしてうまくかないと、生まれるのが「ニーズのズレ」。
同じことを話しているつもりでも、考えや見方の違いから問題がズレていく。解決しようとすることが異なれば、対立してしまうのは必然です。
- 何に不満を抱えているのか
- 満たされていないものは何か
- 不足していて必要なものは何か
お互いの「ニーズ = 何をしたいのか」を特定さえしてしまえば、進むべき道は1つ。やりたいことが異なっていたら、うまくいくわけがありません。
4. ニーズから問題を再構築する
お互いのやりたいニーズが分かれば、行うのは「再構築」。
解決するべきことが分かっているので、対立もなく、進行も早くなります。お互いの立場で行う優先順位が異なっても、問題を理解しているので問題になりません。
- 再構築する
- 独自性が生まれる
- サポートが提供できる
- 対立なく仕事が完結する
お互いが「Win-Win」。4つの方法を行うことは一見は遠回りにみえて、圧倒的に近道に。途中で問題が発生しても解決がしやすく、対立することがありません。
対立することなく仕事はできる
仕事で起こる特に対人のストレスは、大きくなるもの。
ため込んでいくことに、何1ついいことはありません。関わる方が最初から対立しようとは思っていないですし、一見は遠回りに見えることが効率につながります。
完全に一人で行うことや、お互いの意思疎通が取れている仲間であれば、問題なくうまくいく仕事。
ですが、多くの場合は仕事だけの付き合いがほとんどです。お互いが何も考えずに行動してしまうのは、うまくいかない可能性が高いだけでなく、やがて対立つながります。
- 特定の問題を明らかにする
- 感情を共有する
- 双方のニーズを把握する
- ニーズの観点から問題を再構築する
最初はめんどくさい! と思うかもしれません。4つの方法を行うことは非効率ではなく、気持ちがよくできる仕事につながります。
遊びではないからこそ、やらなければいけない。確認するべきことは行い、ストレスを感じずに気持ちよく、対立をせずに仕事を行うようにしましょう。
その時だけの関係でも、最低限お互いを知ることは作業の進行を変えます。
以上が『職場での対立をなくし、ストレスにしないための4つの原則とは?』でした。