健康やダイエットのために不可欠な「運動」。
多くの人が運動を継続するのが難しい一方で、忍耐強く頑張り過ぎて無理をしてしまうも少なくありません。欠かせない運動であっても、頑張り過ぎてしまうと悪影響にもなるんです。
ウェイン州立大学 運動スポーツ科学准教授 タマラ・ヒュー・バトラー氏が、運動をやりすぎの目安、悪影響について紹介していました。頑張り過ぎていないか、確認してみてください。
人それぞれの運動習慣によって実施できるレベルが変わりますので、頑張り過ぎは誰にでも当てはまることです。せっかく運動をするのですから、目安を知って行うのが得策です。
頑張り過ぎの目安
まず、運動の頑張り過ぎ、しすぎの目安を知っておきましょう。運動後の1〜2日以内に以下の症状や兆候が見られる場合は完全にしすぎで、医師の診断を受ける必要があります。
- 時間で解決しない耐えがたい筋肉痛
- 行動に制限のある筋肉の腫れ
- 吐き気や嘔吐、または両方
- コーラーのように見える色の暗い尿が出る
学生時代に運動部の人であれば、経験している人も多い症状です。人それぞれで行えるメニューは異なりますので、明らかに運動をしすぎでした。頑張った証明ではなく、頑張り過ぎです。
筋肉痛になるのは誰でもあることですが、起きているのも耐えがたい状態は運動をするレベルを越えています。このことは、運動初心者、上級者どちらも起こり得る症状です。
4つの症状が出るということは、運動をしている時にも「同じことをするのはもう無理! 」という状況になっているはずです。頑張るとむちゃは別ですので、忍耐強すぎるのも問題でした。
頑張り過ぎるとどうなるのか?
運動をすることで筋肉破壊がおこり、再構築されることで筋肉が強まります。筋力が増えていく仕組みですので、ご存じの方も多いと思います。通常の筋肉痛は、この仕組によるものです。
ですが、より強度な運動がより進むことにより、骨格筋の細胞が破壊されて引き起こる「横紋筋融解症(おうもうきんゆうかいしょう)が引き起こされます。略して「ラブド」とも呼びます。
横紋筋融解症は筋肉細胞が破壊されることにより、ミオグロビンなどが血中に放出される症状です。腎臓のろ過機能が正常に働かなくなる他、肝臓に有毒な物質へと変化していきます。
この結果何が起こるかというと、腎不全により臓器機能不全を発症し、死亡する場合があります。運動の大会中で死亡ニュースが流れる際の原因で腎不全というのは、この症状によるものです。
- 頑張り過ぎる
- 動作が早すぎる
- 頻繁過ぎる
横紋筋融解症の発症しやすくなるのは、上記3つが当てはまります。回復の休憩が必要にも関わらず、早すぎる動作でむちゃを繰り返すのは、ラブドになりたいといっているようなものです。
本来は体にいい運動も、度を越えた運動は取り返しのつかない結果も招いていました。
誰にでも起こり得る横紋筋融解症(ラブド)
横紋筋融解症は特定の人や、スポーツで起こるわけではありません、
過去の発症例から「サッカー、水泳、ラクロス、陸上競技、バスケットボール、ソフトボール、バレーボール、ゴルフ」など、さまざまなスポーツで発生することも分かっています。
かんたんに横紋筋融解症になりえる1例です。高校の体育教師が体育の授業中に5分間で120回の腕立て伏せを指示し、119人が入院することになりました。このことは論文にもなっています。
慣れない運動を急激に、早く繰り返して行うことは、誰にでも横紋筋融解症を引き起こす原因になっていたんです。短時間で何気ないことでも、原因になることを覚えておいてください。
- むちゃをしない
- 無理なら途中でやめる勇気
- 誰もが同じ運動をできるわけじゃない
- 休憩をしっかり取る
運動も度を過ぎると、通常の筋肉痛では収まらなくなるんです。横紋筋融解症にならないためには、あまりにも頑張り過ぎないということが大切でした。
同じ運動をするのであれば気持ちよく
運動をすることは、健康やダイエットのためにも必要なことです。ですが、頑張り過ぎることは逆に体に悪影響でした。当たり前のようですが、節度があるということです。
体に悪影響となるまでいかなくても、頑張り過ぎは運動を嫌いになる大きな理由になります。その時に1回だけすればいいものではないので、無理をしないことが重要です。
継続が難しいむちゃな頑張りは「体への悪影響、運動が嫌いになる、結果も出ない」と何もメリットはありません。ただ、つらい思いをするだけです。
- 同じことがまたできる
- 心地よい気持ちよさ
- 楽しみになっている
上記の3つに当てはまるのが、運動を長く継続するポイントです。私たちの多くはプロのアスリートでも、記録を狙うわけでもありませんので、継続ができる運動を楽しんで行いましょう。
レベルを上げていくのは、今行っている運動が難なくできてからで遅くありません。
以上が『運動は頑張り過ぎるのはダメ! 悪影響と頑張り過ぎの目安とは?』でした。