兆候はなかったのに、緊張をすると尿意が急に発生してトイレに行きたくなる…。
緊張する理由は人それぞれでも、誰もが経験したことがあると思います。緊張することでの尿意から急にトイレに行きたくなる理由は、次の2つの理由が仮説として考えられています。
- 腎臓の尿生産が増加
- 膀胱(ぼうこう)の筋肉の緊張
この2つの理由として仮説を語ったのは、カリフォルニア大学サンフランシスコ校の泌尿器科准教授である、トム・チー氏。私たちが緊張するということは、体への変化があるんです。
緊張することの尿意から急にトイレに行きたくなっても、必ず近くにあるとは限りません。通常の尿意の発生する仕組みから、緊張からの尿意を抑える方法を紹介していきます。
緊張ではない通常の尿意とは?
緊張も不安も感じていない時は、腎臓から送られてくる尿を膀胱が問題なく受け止めています。外部括約筋がしっかりと閉じられていることで、尿が漏れないようにもなっています。
個人により差はありますが、健康な膀胱は約470ml。ペットボトル1本分程度の尿をためられます。通常は尿がたまるると脳に信号が送られ、「トイレに行かなきゃ」と自覚するわけです。
トイレに行き排尿の準備が整うと、膀胱の収縮と外部括約筋がゆるみ尿が排出されます。普段私たちがトイレに行く流れは、尿がたまったから出したくなるという、ごく自然な流れです。
対して緊張による尿意は脊髄を通る神経、脳、感情になど多くの要因によってコントロールされているため、完全には仕組みが現時点で理解されているわけではありません。
ですが、研究者により推測ができているのが、続いて紹介する2つの仮説です。
1.腎臓の尿生産が増加
1つ目は、腎臓の尿生産が増加するです。
私たちが緊張することは、体がフライト・オア・プライト(戦うか逃げるか反応)になっています。この状態はアドレナリンが放出されている状態で、自身を開放する必要に迫られています。
この開放する反応の中で、通常よりも腎臓の尿生産を増加させています。尿生産がたくさんされると膀胱でためられる量には限りがあるため、尿意が発生するのは当然といえます。
前回の排尿時から時間がそんなにたっていないのに通常と同じ量が出る場合は、特に当てはまる仮説です。ただし、この反応に関連付ける理由は完全には解明されていません。
2.膀胱(ぼうこう)の筋肉の緊張
2つ目は、膀胱の筋肉が緊張するです。
私たちが緊張することで膀胱の筋肉が緊張することは、外部括約筋がゆるむことで尿意が発生して「おしっこがしたい! 」となります。緊張は心だけでなく、筋肉も緊張していました。
イメージとして重い物を持っていると筋肉がプルプルしてきて、ずっと持っていられないのが近い状態と考えられます。緊張の尿意であるのに尿の量が少ない場合、特に当てはまる仮説です。
緊張により尿意の対処方法
緊張による尿意の対処方法は、次の3つです。
- 素直にトイレに行く
- 他のことを考えてきを散らす
- 緊張を解くために目をつぶって瞑想(めいそう)する
すぐにトイレに行ける状態の時は、素直にトイレに行くのが得策です。問題はトイレにすぐに行けない場合の対処方法についてです。その方法は気を散らすか、瞑想するでした。
単純なようですが、気を散らすことも瞑想することも緊張状態を軽くし、少しリラックスができます。少しでも緊張からほぐれることは、尿意から考えが離れていくんです。
ただし、尿がたまっての本来の尿意には効果がありません。素直にトイレに行くようにしてください。あくまでも緊張による尿意で、トイレにいったのに少量しか出なかった時の対処方法です。
事前に分かる緊張の前はトイレに
緊張して尿意が発生しトイレに行きたくなる場面は、生活の中でたくさんの機会があります。何に対しても全く緊張しない人はいないですから、事前にできる準備をしておきましょう。
事前に分かる準備とは特別なことではなく、緊張が予測できる前にトイレに行っておくということです。当たり前のようで「まあいいか! 大丈夫かな?」と考えて、困る人が多いパターンです。
- 会議の前
- テストの前
- 目上や初めての人と合う前
- 運動する前
上記は私たちがよく経験する、緊張をする場面です。事前に尿意をその時点で感じていなくてもトイレに行っておくことで、気を散らす、瞑想(めいそう)するで対処できる可能性が高くなります。
可能性が高くなるのは、尿がたまっての尿意でない可能性が高いからです。特に習慣が付いていない時の運動は思っている以上に緊張しますので、事前にトイレに行っておきましょう。
運動する場所にもよりますが、トイレがすぐ近くない場合が多いです。私も平気かなと軽く考えていて、苦い今も思い出してしまう経験をしたことがありますので、反面教師にしてみてください。
以上が『緊張するとトイレに行きたくなる理由と、その対処方法とは?』でした。