特に暑い夏は冷たい甘い飲み物が、おいしいですよね。
糖分を摂取することで幸福度も上がりますし、すっきりと気持ちを切り変えるのにも役立ちます。適度な甘い飲み物は生活の中で欠かせない物です。
ですが、食べるよりも飲み物の方が短時間でたくさんの糖分を摂取できることから、気をつける必要があるのも事実。肥満の大きな原因にもなっているんです。
とはいえ、甘い飲み物が肥満に関係しているのは多くの方が知っています。知っていてもおいしいので飲んでしまいますが、甘い飲み物は太るイメージがありますよね。
ですが、甘い飲み物は肥満に関係して、太るだけでない別の可能性も出てきました。
先日(19/07/10)イギリスの医学誌「The British Medical Journal(The BMJ)」に、「甘い飲み物の摂取とがんのリスク」の研究結果が発表されたんです。
結論は検証結果では、甘い飲み物はがんが発生するリスクと、関連があるとあります。関連をするだけでなく、がん予防のために修正可能な危険因子の可能性までと示唆しているんです。
日本では生涯のうちに2人に1人はがんが発症するといわれていますから、関連があるのであれば気になるという方も多いですよね。
どんな研究が行われて発表されたのかなどまとめてみましたので、続けてご覧ください。
検証試験はどんなことが行われた?
The BMJに発表された今回の検証では、以下のことが行われました。
検証内容 | 甘い飲み物(糖甘味飲料、100%フルーツジュースなど)、人工甘味飲料のがんのリスクの関係性 |
検証期間 | 2009〜2017年 |
検証対象 | 18才以上の101,257人(平均年齢:42.2才) 男性:21,533人(21.3%)、女性:79,724人(78.7%) |
参加者のデータ | 年齢性別、生活習慣の特徴 生年月日、性別、学歴、喫煙状況、子ども人数、身長、体重、健康状態、食事 |
飲料の消費 | 甘い飲み物97種類、人工甘味飲料12種類に区分けして調査 ※研究上の甘い飲み物の定義:5%以上の砂糖を含む飲み物 |
データ収集方法 | 年1回の質問票、3カ月おきに特定の健康診断質問票 |
検証対象が女性が圧倒的に多いのが少し気になりますが、10万人以上のデータ、長期間にわたっての甘い飲み物とがんのリスクについての検証試験となっています。
検証内容は結果的に3,300種類にも分けた食物の摂取量を24時間繰り返し記録した調査結果ですので、まとめるだけも骨の折れる検証試験であったのが分かります。
調査結果はどうなった?
調査結果は以下の通りになりました。
甘い飲み物の割合 | フルーツジュース:45% フルーツジュースを除く糖甘味飲料:36% 人工甘味飲料;19% |
がん発症例: | 全体:2,193例 (2,16%) 乳がん:693例 (閉経前283例、閉経後410例) 前立腺がん:291例 大腸がん:166例 その他がん:1,043例 |
がん診断時の平均年齢 | 58.5±12.0歳 |
がんの発症リスク 100ml/増えるごとに | 全体的ながん 2193人 平均:1.12、間隔:1.03〜1.23、増加;P = 0.007 乳がん 693人 平均:1.22,、間隔:1.07〜1.39,、増加;P=0.004 |
結論 | がんと甘い飲み物摂取はがん発症と関連がある がんの予防のための危険因の可能性がある |
発表されたのが英文であるだけでなく、医学誌のために難しい表現がされていますが、甘い飲み物ががんに関連がある調査結果だったことには変わりありません。
少し予想外の結果だったのは、人工甘味料であるアスパルテームはもともと発がん性の可能性の疑いがある物ですが、今回の検証結果ではがんの発症リスクに関係していませんでした。
悪いイメージの強い人工甘味料ですが、イメージだけで考えるのは間違いともいえる結果です。ただし、今回の甘い飲み物の検証試験の結果ではという、限定はつきます。
がんのリスクについても難しい書き方をしてありましたが、甘いものをの無料によってリスクが着実上がっているということです。100mlごとにの調査をいうのは、いかにも医学誌らしい。
今回の調査結果で重要なのは従来の肥満であるからこそのがん発症のリスクの増加ではなく、体形に限らず甘い物を飲んだ時のがんの発症のリスクである点です。
これから期待されること
肥満とがんの発症の関連性は以前から分かっていた内容ですが、甘い飲み物とがんの発症の関連性の研究は検証結果の例が少ない状況です。
検証結果の例が少ない状態ですので、今回の結果で甘い飲み物がかんの発症のリスクを絶対に高める! とはいえないのが現状です。現時点では可能性が高いでしかありません。
1つの研究が発表されると、研究の検証、さらなる追加の試験が続々と行われますので、これからの検証の試験の結果がどうなるのか期待したい研究内容の発表でした。
摂取カロリーというと食べ物だけに注目がいきますが、飲み物の摂取カロリーは多くの方が想像しているよりも多いです。中には1日の総摂取カロリーの40%近くを飲料で摂取する方もいます。
甘い飲み物の摂取カロリーは多いですから、今回の追加研究の発表が期待されます。
研究が進むにつれて、もし痩せているや普通体重、または肥満状態の体形には関係ないがんの発症リスクが確定となると、甘い飲み物への風当たりは強くなりそうです。
甘い飲み物はほどほどに
甘い飲み物とがん発症のリスクとの関連性についてまとめてきました。
現時点はがんの発症のリスクが上がることについては、可能性が高いでしかありません。ですが、間接的には太る原因になりますので、がん発症のリスクが上がるのは事実です。
甘い飲み物はおいしいですが、肥満のリスクも含めて、甘い飲み物だけけにならないようにすることは大切です。どんなにおいしくても、飲みすぎてしまったら、影響があるんです。
甘いものは飲んではいけませんにすると、大きなストレスになります。飲まないは大変ですが、飲んでも飲み過ぎにならないような適度が調整をしてみてください。
以上が『甘い飲み物は太りやすいだけじゃない! がんのリスクも高めていた?』でした。