連日メディアで、ニュースとして取り上げられている「コロナウイルス」。
世界的な感染者の増大と重症化をし、死亡者も多くなっています。人から人へと感染しますが、感染を予防するマスクの圧倒的な不足も不安を増大させる結果となっています。
不安を増大させているのはコロナウイルスとしての怖さだけでなく、聞いたことのない言葉がいくつも出てくるのも理由です。その代表格が「スーパースプレッダー」です。
新しくできた言葉ではなく、スーパースプレッダーとは多くの人に感染させる人ことを指します。知らない言葉の横文字というのは、意味が伝わりづらく、不安も感じさせます。
ペンシルバニア州立大学昆虫学教授および感染症動態センター長 エリザベス・マグロウ氏が、過去のスーパースプレッダーが起きた事象などを含めて、どんなことなのかを説明しています。
意味を知らずに不安だけを高めるよりも、意味を知るのも大切です。ぜひ、ご確認ください。
スーパースプレッダーとは?
スーパースプレッダーは英語にすると「super spreader」。日本語に訳すと「すごい 広げる人、流布(るふ)する人」になります。多くの人に感染させる人なので、そのままですね。
研究者は現在のコロナウイルスを持っている人が、約2.6人に感染すると推定していますが、1人で14人の医療関係者に感染させた事例が報告されています。スーパースプレッダー事例です。
厄介なのは病原体であるウイルスを他の人に多く感染させるのに、見た目で判断できないことにあります。スーパースプレッダーとは結果であって、誰にでもなる可能性を秘めています。
- 人よりも多くのウイルスを放出する人がいる
- 症状が軽く日常生活を続けてしまう人がいる
- 行動範囲が広範囲
- 人との接触の頻度が高い
免疫機能の働きにより人よりも多くのウイルスを放出する人は、スーパースプレッダーになる要素が多くあります。「ウイルスを多く放出 = 感染しやすくなる」ので、当然といえます。
誰にでもなりえる可能性というのは、スーパースプレッダーとはウイルスの放出する量ではなく、より多くの人に感染させる人ということにありました。
症状が軽く日常生活を続けてしまうことは、行動範囲も広がり、人との接触する機会も増えることになります。結果、他の人に感染させる率が上がり、スーパースプレッダーにもなりえるんです。
誰にでもなりえますが、ウイルスを人よりも多く放出する人が行動範囲が広く、人との接触が多いと、とんでもなりことになります。ウイルスは目で見えない分、怖いんです。
過去に起こった事象例
スーパースプレッダーの過去の事象例として、以下のような事象があります。
- 料理人メアリー・マローン 腸チフス51人感染
- アメリカ 麻疹感染
- SARS(重症急性呼吸器症候群)
- MERS(中東呼吸器症候群)
メアリーマローンの事例は、有名な事象例です。保菌者であるのにも関わらず本人が無症状だったため、手洗いなど予防を怠ることで感染が広がりました。無自覚は怖いんです。
アメリカ 麻疹感染は予防接種を受けていない人が、学校、病院、飛行機、テーマパークなど、人が密集する場所を訪れることで、感染が広がりました。不特定多数の人が集まる場所です。
SARS、MARSは、まだ記録に新しいです。感染者の海外渡航や、病院内で一気にウイルスが拡散し、感染者が広がりました。感染患者への近さが、感染拡大の最大の危険因子です。
保菌者であっても、気付かず感染源となっている人がいるということ。多くの人が集まる場所には感染が広がる要素が高いといえます。過去の事象例からも、誰でもなりえるといえます。
予防と自分がならないためには?
研究者たちは、麻疹、MARS、エボラなどウイルスに起因するものだけなく、結核など細菌に起因する病気の発生でも、スーパースプレッダーがいることを確認しています。
それだけに、予防と、自分がスーパースプレッダーならないための行動が重要です。
- 手洗い
- マスク
- 検疫
- 予防接種
- 病原体の固有の正しい処置
- 不要な人が集まる場所への行動は控える
ウイルスに感染する経路を可能な限りたち、他の人に感染ようなことはしないということです。100%なくなるということはありませんが、確率を大幅に下げられます。
上記の中でも手洗い、不要な人が集まる場所のへの行動を控えることは、今すぐにでも実行ができることです。自分だけは感染しないはありませんので、気を付けてみましょう。
どんなものかを知ることも大切
スーパースプレッダーについてどんなことから、事象例、予防を紹介してきました。
聞きなじみのない言葉で、かつ病気に関することなので不安になってしまいますよね。スーパースプレッダーとは、ウイルスのインフルエンサーと考えとより分かりやすいかもしれません。
「インフルエンサー = 多くの人に影響を与える人」。横文字が増えると難しいですね。
ウイルスは感染するといっても100%ではなく、予防で大きく確率を減らすことは可能です。あまりに心配してしまうとより大きな心配となり、ストレスにつながります。
よく分からないことは不安の原因となりますので、言葉の持つ意味を知っておきましょう。言葉の意味を知ることで、予防への感心が高まり、不安も軽減されますよ。
予防や注意をしていても、具合が悪くなることは誰でもあります。自分だけは大丈夫、1番に分かっているなど、自己判断は危険です。医師の判断を仰ぐことも忘れずに!
以上が『スーパースプレッダーとはなんですか? 分からないからこそ不安です』でした。